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かっこ21

二次創作の妄想ブログ。あらゆる物に関係なぞあるわけない。

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やっと続きができました。難産すぎて帝王切開ですよ。
中途半端に終わりますが、たぶん毎回中途半端に終わる予定。
ただのわがままで、やつあたり。
正当でないのは、自分。
分かっているから、余計腹立つわ!!!!!


自宅遭難①


一人暮らしのアパートは狭い。もう、ほんと、もの置けない。
ベッドに潜り込んで、部屋の狭ささえも僻んでやった。やーいやーい。
閻魔円25歳独身彼女なしのフリーター。痛すぎる。
おれは自分の人生を簡潔にまとめて、まるめて、くちゃくちゃにして、ぽいっとしてやりたくなった。だって、こんな下らない人生、いらないじゃん。
・・・別に死にたいわけじゃないけどね。
夕暮れ時な今、おれの腹は盛大に存在を主張している。だけど、食事準備する元気も材料も根性もない。少し黙ってろ。
もう30分でバイトの時間。知るか。やめてやる。おれは遭難者。音信不通だ。周りのやつら、不審に思いやがれってんだこの野郎。あー寂しい!
でも、ほんの少し、罪悪感。こんな思いつきなやつあたりに付き合わせる店が、どうにも不憫だ。申し訳ない。
と、まあ、おれの優しく誠実な一面を垣間見たということで、この件は終了。
こんな適当なやつだから就職できないとか思うやつ。後でボコるからな!!!
なんとなく外は明るい。ああ、冬も終わって春になる。春になったら新入生がワイワイキャッキャッする。うんざりだ!!なんだよ新入生のあのテンション。ソワソワウキウキしちゃって!たかが3年か4年いるだけじゃないか!ふんっ。
あーそうとう腹が立つ。


ところで、遭難って何するんだろ。


おれは今根本的なところで躓いた。
遭難といえば、雪山。しかし、雪山に行く予定も気力も力も金もない。
と、なると野外での遭難というのは無理だ。
だって、ここ、住宅地近くだし。コンビニあるし。少し行けば交番あるもん。
遭難しようがない。
うーん。
うーん。
・・・そうだ。遭難って行方知れずになって、連絡取れなくて「あの人大丈夫かなー?」っていう状態になればいいんだろ?
なら、雪山に行く必要も富士の樹海に行く必要もない。


ここで遭難すればいいこと。


そう。自宅で遭難すればいい。いや、遭難というか、これ、ひきこ(ry。いやいやいや。
遭難だ!このまま連絡取れず、姿も見えなければ、遭難ということになる。はいそこ!定義が曖昧だとか言わない。これはおれ流。こうすることで、今までの高校生活も大学生活もフリーター生活も乗り切ってきた。自慢にならないとは思うけどさ。
さてさて。そう決まったら早速、遭難だ!






皆さん。
おれはまた、根本的なところで躓いてしまいました。
今から遭難すると言っても、何をすればいいんでしょうか。具体的に。
遭難者がすることといえば、寝ないとか(却下!)、助け求めたりとか(本末転倒!)、じっとしておく(これはいいかな)。
遭難も遭難で大変だと思う今日この頃ですよ。
とりあえず、静かにじっとして過ごすことにしよう。誰とも話さず。遊ばず。
なんかつまらないな、それ。

ピンポン。
突然インターホンが響いた。
こんなミラクルなタイミングに誰かが訪ねてくることはない。きっとお隣のインターホン。
うちのインターホンは鳴り方が妙に可愛い。よく見かける背の小さいころんっとした可愛い女の子みたいな音がする。ピンポーン!!じゃなくて、ぴんぽん。どうでもいいか。
ピンポン。
いやいやいや、お隣さん、インターホンの音でかすぎよ?
ピンポン。
認めない。おれの家に客人とか認めない。だってまだバイト始まる時間じゃない。今日のシフトのメンバーとか社員とか訪ねてくるはずないもん。
コンコンコン。
ちょ、ノックとか、おま!!うっそマジで客人?このタイミング悪男!!
おれは潔くベッドから這い出した。ノックまでしてくるのなら、余程おれに出てほしいはず。ちくしょう、おれって求められると甘んじて応じてしまう奴なんだよ。よく分かってんな、悪男!
狭い部屋をすり抜け、玄関へ向かった。
スニーカーやらブーツやらをチョチョチョとよけて鍵を開ける。
ドアを開くと夕日とともに見えた人影。
あまり高くない背に、少しハネちゃってるショートカット。パーカーにパンツ姿の人がそこに立っていた。
その人はぺこりと丸い頭を下げて、元気よく顔をあげた。
「こんばんは、突然すみません。隣に引っ越してきたのでご挨拶に伺いました」
妙にクリアな声で、そう丁寧に挨拶すると、その人は少しニコっと笑った。
茶色い髪が動作の度にピョンと小さく動く。
「小野です。これからよろしくお願いしますね」
小野と名乗ったその人はまたぺっこりとお辞儀した。随分と律儀な人なんだなー。
「あーあー・・よろしく。閻魔です」
おれは改まったのは苦手。お堅いのとかね。ダメ。卒業式におちゃらけてて全然泣けないタイプだしね。
「閻魔さん、こちらに長く住んでいらっしゃるんですか?」
小野・・・ちゃん(背低いし、たぶん年下だろーね)は丸い目をこっちに向ける。
うーん、小型犬かな・・・これ。
「えー、そうだねー、かれこれ、7年くらい居るんじゃないかな」
「そうなんですか、長いですね」
「うん、この辺ならまかして。おれのテリトリーだから。何かあったら言って」
まあ、一般的なご挨拶を適当に済ませた。しかし小野ちゃんはパッと表情を明るくして「ありがとうございます!」と元気に言った。
なんか、構い倒したくなる。弟タイプか?この子。
「えーと、君、いくつ?」
「18です。この近くの大学に通うために引っ越してきたんです」
「あー・・・ん、なるほど」
「あ、そうでした、これ、つまらないものですが、どうぞ」
そう言って手渡されたのはお菓子の入った缶。クッキーとか、チョコレートとか。
お菓子大好きなおれにとっては宝の缶だ。
しかも今は空腹。
分かった。この子。天使だ。天使に違いないっ!!
「わーありがとー!!おれお菓子大好きなんだよねー!」
「本当ですか?よかった。男性の方だから、嫌いだったらどうしようって思っていました」
食糧ゲットしたから、ご機嫌になった。
だけど、おれは遭難者。それは忘れてはいけない。
小野ちゃんは構いたいけど、おれは、暫く音信不通になる予定。
ごめんね、小野ちゃん。
そんなこととは露知らずな小野ちゃんは、またペコリと頭を下げた。
「閻魔さん、これからよろしくお願いしますね」
にこっと笑った小野ちゃんの顔に、おれは即KOされた。
おれ、小野ちゃんだけには連絡とるわ。
ほら、おれって、意志弱いからさ・・・。
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    大学生
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    ただの変態です。ただそれだけです。
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