かっこ21
二次創作の妄想ブログ。あらゆる物に関係なぞあるわけない。
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伏木蔵と伊作のお話。
伊作が唯一本当に憎んでるのって・・・。ていう話。
年齢操作があるので、注意。
伊作が唯一本当に憎んでるのって・・・。ていう話。
年齢操作があるので、注意。
「神様?居るわけないじゃない」
優しい最上級生の先輩はにっこりと綺麗に笑って、僕にそう突き返した。
僕はまさかそんな答えが来るとは思わなくて、思わず見開いた目から涙が一粒こぼれた。
いちねんろぐみ、つるまちふしきぞう。
漢字はまだ難しいから、自分の名前をひらがなでしか書けない。
それを一つ上の先輩は馬鹿にした。
でも最上級生の先輩は優しく笑い、ゆっくり覚えて書けるようになればいいんだよ、教えてあげるからね、とそう言った。
一つ上の先輩は羞恥のせいか顔を少し赤くしてぷいっと余所を向いた。
僕が最上級生の先輩を大好きになったのは、その時だった。
ぜんぽうじいさくせんぱい。
やっぱり漢字は書けなかった。
とある課外授業のときだった。
札取りというちょっとしたゲームをしていた僕たちは、ひとつの組をいくつかのグループに分けて参加していた。
僕が居たグループはどうにも動けないやつらばかりだった。
運動神経鈍い奴に、足の遅い奴、怖がりで木々を飛び移れない奴。
案の定、僕らのグループは途中結果で最下位だった。
最下位のグループは一カ月トイレ掃除の刑を先生から言い渡されるのだ。
それは、とても避けたかった。
しかし、僕らには挽回する力も才能もない。
一人がこう呟いた。
「もう。神頼みしかないよ」
それから、全員で顔の前に手を合わせブツブツと唱えた。
お願い、神様、勝たせて、お願いします、神様・・。
存分に唱えたのち、僕らは挽回に勤しんだ。
それは不思議なほどうまくいき、結局、僕らはトップになった。
そしてトイレ掃除を逃れたぼくらが、息を合わせこう言ったのだ。
神様、ありがとう!!
さて、話は冒頭へ戻る。
この話を大好きな先輩に話した。
すごいねえ!頑張ったねぇ!!
ただ、そう言ってほしかった。
それだけだった。
なのに、その大好きな先輩は僕の大好きな笑顔で言ったのだ。
神様?居るわけないじゃない!
幼いころの記憶はここで途切れている。
あの後ワンワン泣いて、結局ご飯食べて寝た気がする。
僕は6年ろ組鶴町伏木蔵。
あの頃に先輩に教えてもらった漢字は、もはやすべて難なく書ける。
僕も、先輩のように最上級生になったのだ。
今思えば、僕は酷な話をあの時先輩にしたのだ。
まるで神に見放されたかのように運が無かった先輩。
何度も死にかけ、何度も助かり、そして、そのたび、代わりの誰かが、死んだ。
先輩はそれを見続けたのだ。
なんども、級友を看取ったのだ。
そんな先輩がこんな酷い事を先輩に押し付けてくる神様を良い存在と思っているはずない。
きっと先輩は神様が居たら
殺しているのだろう。
優しい最上級生の先輩はにっこりと綺麗に笑って、僕にそう突き返した。
僕はまさかそんな答えが来るとは思わなくて、思わず見開いた目から涙が一粒こぼれた。
いちねんろぐみ、つるまちふしきぞう。
漢字はまだ難しいから、自分の名前をひらがなでしか書けない。
それを一つ上の先輩は馬鹿にした。
でも最上級生の先輩は優しく笑い、ゆっくり覚えて書けるようになればいいんだよ、教えてあげるからね、とそう言った。
一つ上の先輩は羞恥のせいか顔を少し赤くしてぷいっと余所を向いた。
僕が最上級生の先輩を大好きになったのは、その時だった。
ぜんぽうじいさくせんぱい。
やっぱり漢字は書けなかった。
とある課外授業のときだった。
札取りというちょっとしたゲームをしていた僕たちは、ひとつの組をいくつかのグループに分けて参加していた。
僕が居たグループはどうにも動けないやつらばかりだった。
運動神経鈍い奴に、足の遅い奴、怖がりで木々を飛び移れない奴。
案の定、僕らのグループは途中結果で最下位だった。
最下位のグループは一カ月トイレ掃除の刑を先生から言い渡されるのだ。
それは、とても避けたかった。
しかし、僕らには挽回する力も才能もない。
一人がこう呟いた。
「もう。神頼みしかないよ」
それから、全員で顔の前に手を合わせブツブツと唱えた。
お願い、神様、勝たせて、お願いします、神様・・。
存分に唱えたのち、僕らは挽回に勤しんだ。
それは不思議なほどうまくいき、結局、僕らはトップになった。
そしてトイレ掃除を逃れたぼくらが、息を合わせこう言ったのだ。
神様、ありがとう!!
さて、話は冒頭へ戻る。
この話を大好きな先輩に話した。
すごいねえ!頑張ったねぇ!!
ただ、そう言ってほしかった。
それだけだった。
なのに、その大好きな先輩は僕の大好きな笑顔で言ったのだ。
神様?居るわけないじゃない!
幼いころの記憶はここで途切れている。
あの後ワンワン泣いて、結局ご飯食べて寝た気がする。
僕は6年ろ組鶴町伏木蔵。
あの頃に先輩に教えてもらった漢字は、もはやすべて難なく書ける。
僕も、先輩のように最上級生になったのだ。
今思えば、僕は酷な話をあの時先輩にしたのだ。
まるで神に見放されたかのように運が無かった先輩。
何度も死にかけ、何度も助かり、そして、そのたび、代わりの誰かが、死んだ。
先輩はそれを見続けたのだ。
なんども、級友を看取ったのだ。
そんな先輩がこんな酷い事を先輩に押し付けてくる神様を良い存在と思っているはずない。
きっと先輩は神様が居たら
殺しているのだろう。
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