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かっこ21

二次創作の妄想ブログ。あらゆる物に関係なぞあるわけない。

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ちょっと、学パロに、ほら、ときめいたって言うか・・。
大丈夫、レポート、ちょっとやったから、息抜きだって、息抜き!

結構ブラックな内容です。
死ぬとか、死にたいとか只管言っているような感じなので、苦手な方はご覧にならないようお気を付けくださいませ。
全然、ネタみたいに明るくないですし、オチもありません。
学パロな天国組です。
閻魔→卒業延期しちゃってる3年生。ちょっと鬱気味。
鬼男→2年生。欝な閻魔にイライラ。


たった、ほんのちょっとの言葉で傷つく。
言った本人に明らかに悪気が無いのに、勝手に傷ついて、傷ついたことを詫びて、また傷つく。
そんな下らなくて、不毛な悪循環は、単純思考な僕には意味不明だ。
そんなこと考えているから留年なんかするんだよ。
そんなこと考えているから辛くなるんだよ。
そんなこと考えているから悪いようにしかとれないんだよ。

あー、ほんっと!!腹立つわ!!

「俺はね、もう、いいと思うんだよ」
食事もまともに取っていない体は妙に白くて、妙に細い。
骨と皮がそこに立っているようだった。
黒髪とパサパサと首筋に垂らして、俯いている。
屋上は風が強い。こいつ、飛ばされないよな?
「何がいいんですか?」
今日の昼食は、さっき購買で手に入れた焼きそばパン。
ガブリと齧り付いて、ソバをズルズルと引っ張り出した。
んまい。
「生きてなくていいと思う」
この人、一週間に一回レベルで生きることを諦める。
でも生きている。
どうせ死ぬ気の無いくせに、なんで死にたくなるのか、意味わからない。
死にたいなら、さっさと死ねばいい。すごく簡単だ。
屋上から飛び降りてみたり、電車の前に飛び出してみたり。
やり方はいろいろあるだろ、世の中には。
でも、死のうとしない。
なら、いちいち死にたくなるなよ、面倒だから。
「もう、疲れちゃってさ、もう、もう」
最後の「もう」は掠れて聞こえなかった。
そのうちに嗚咽が聞こえてきて、隣を見ると、肩を震わしていた。
悲しいことがあったなら、言えばいいのに。
黙って我慢して、それで死にたくなるとか、自己犠牲すぎる。
僕は何のために、あなたの隣にいると思うんですか。
何のために鬱陶しいあなたの隣に。
あなたじゃなかったら、とっくに見捨てています。
ばっかじゃない?
「・・・泣いたら、すっきりするんじゃないんですか?」
「ん・・ど、かな。なみ。だ。止まら、ないか、もね?」
「止まりますよ」
「・・ん・・?」
「・・水分には限りがありますから」
「・・・リアリスト」
あ、少し笑った。
なんだ、今度こそダメかと思ったけど。
案外平気そうだ。
「笑いましたね」
「うん」
「涙止まりそうですか?」
「止まるよ、すぐ」
「?」
「だって、今から死ぬから」
そう言って、今まで見たことないような笑顔を見せた。
いつもとは、違う。
なんか、ゾワッとした。あ、この人、死ぬ、と思った。

大王はあっという間に、フェンスを越えた。
飛び降りる気だ。

細い体が消えるのは、ほんの一瞬だった。
咄嗟に自分の体が素早く動いた。自分の意思じゃないような感覚だ。



気づいたら、屋上に二人してへたり込んでいた。
どうやって、引き上げたのか、覚えてない。
必死で、つかんで、それからー・・・。
「・・・・」
黒髪で顔がすっかり隠れてしまっている。嗚咽も聞こえないし、肩も震えていないから泣いてはいない。
「・・・あんた」
「どうして」
「え」
「どうしてかなぁ!」
叫ぶのが下手だ。
声がひっくり返っている。
「どうして、やっと、やっと、飛べたのに」
「あれは、飛んだ、じゃなく、落ちたです」
「死ねるって思ったのになぁっ・・君、君が、助けたりなんか、するから!いつも、いつもさぁ!君さぁ!俺のことウザいって言ってんじゃん!鬱陶しいってさぁあ!なんでよ!!居なくなることがさ、できんのよ?なんで、邪魔、なんだよ、もう、なんで」
次第に声は小さくなり、嗚咽が大きくなった。
大粒の涙がボッタボッタ落ちている。
うー、とか、あー、とかしか、もう言えてない。
たまに、死ねたのに、と呟いているのがわかる。
あーもう、なんか、本当、こいつ!!!!

「あんた、馬鹿だろっ!!!飛ぶ勇気が無いから今まで飛べなかったんだろ!!?今日やっとの思いで飛んだだけだろ?!!死ぬってことをなめんな!!!あんた死ぬ勇気もねぇのに死ぬ気になってるだけだろうが!!死ぬって言えば全て解決すると思うなよ?!!」
「思ってないっ!!ただ、俺なんて生きてても!!」
「生きてても必要ないとか、いつもぬかしてっけどなぁ!!お前は自分の存在を申し訳なく思ってんじゃねーよ!!周りを加害者に仕立て上げて、可愛そうな自分を演じてるだけだろうがっ!!!」
「ちがっ、もっ、ほんとっ、しにたいっ!!」
「っだから、馬鹿だっつってんだろうが、このクソ馬鹿!!」
「うーーーっ」

「人間ってのは、本当に生きることを諦めたら、自然にパッタリ死ぬんだよ。何をしなくても」

大声を出したせいで、少し息が乱れていた。
心なしか、悲しくなって、少し涙声にもなっている。
大王は蹲って泣いている。傍から見たら、僕がいじめっ子。

「大王は、死にたいっていつも言っているけど、一向に死なない。それは、まだ大王が死ぬつもりじゃないから。だから死なないだけ」

大王はしばらくうーあーと呻いて泣いた。
焼きそばパンを齧りながら、そんな大王を見つめて見た。
痩せた体。
色の悪い肌。
栄養の行き届いてない爪。
大王の体は着々と、死ぬ準備を整えていた。

多分、もうそろそろ、死ぬんだろうな。



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お母さんが言っていました。
人間は本当にヤバい時は、自然に体が機能しなくなって、死んじゃうんだとか。
閻魔は普段はめちゃくちゃ煩くて元気なのに、腹の中で鬱々といろんなもの抱えていそうです。
それに本人に本当の死ぬ気が無くとも、毎度毎度「死にたい」って言っていたら、体が勘違いして死ぬ準備をしていそうですよね。
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    女性
    職業:
    大学生
    趣味:
    ピアノ・読書・妄想
    自己紹介:
    ただの変態です。ただそれだけです。
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